おすすめ!難問の多い料理店|ネタバレとあらすじの紹介!
今回紹介する小説は、「難問の多い料理店」です。どことなく「注文の多い料理店」を想起させるタイトルですが、その内容は全く違って、非常に面白い。結城信一郎先生の作品を、今回は実際に読んだ感想やネタバレを含めて紹介していきます。
まだ、「難問の多い料理店」を読んだことない人は、あらすじの紹介や感想でネタバレが多く含まれています。気になる方は、読んでから見ていってください。
難問の多い料理店|ネタバレとあらすじの紹介!
- あらすじの紹介(ネタバレ注意)
- 難問の多い料理店はどんな内容?
- 対象年齢は?何年生向けの作品?
- 試し読みはどこでできる?
- 難問の多い料理店を読んでみて感想
- 難問の多い料理店の読書感想文
あらすじの紹介(ネタバレ注意)
難問の多い料理店のあらすじは、次のようなものです。本の裏にも記載がありますが、今回はAmazonのサイトから引用しました。
『#真相をお話しします』で大ブレイクした結城真一郎が仕掛ける、
笑いあり・驚きあり・そして怖さあり……な、新時代ミステリ、ここに爆誕!!
――どなたもどうかお読みください。決してご遠慮はありません。
こんなミステリを、私たちはずっと待っていた!!ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の僕は、注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。
Amazon公式サイト「難問の多い料理」
彼は虚空のような暗い瞳で、「お願いがあるんだけど。報酬は1万円」と、噓みたいな儲け話を提案し、あろうことか僕はそれに乗ってしまった。
そうして多額の報酬を貰っているうちに、僕はあることに気づく。
どうやらこの店は「ある手法」で探偵業も担っているらしいと。
不自然な焼死体が出たアパート火災、空室に届き続ける置き配、 謎の言葉を残して捕まった空き巣犯、なぜか指が二本欠損した状態の轢死体……。
オーナーは、配達員に情報を運ばせることで、どんな難問も華麗に解いてしまう。
そして、配達員にこう伝えるのだ。
――「もし口外したら、命はない」
難問の多い料理店はどんな内容?
難問の多い料理とは、連続短編小説になっています。いくつかの話が入っており、その舞台として用意されたのが、「難問の多い料理店」です。そこは、難問が持ち込まれるレストランでした。
この話は、六本木のビルにある、ゴーストレストランが舞台です。そこに持ち込まれる、何か困った客から、何かしらのオーダーが入ります。そして、それをビーバーイーツと呼ばれる配達員が、客の持ち込んだ謎に対する真相を運ぶという、奇怪なストーリーになっています。話が進むにつれて徐々にシェフの素性が明らかになっていき、同様に車シェフは配達員の情報だけで顧客の欲しい真相をお届けするという、内容になっています。
対象年齢は?何年生向けの作品?
この作品の対象年齢は、恐らくは中学生以上でしょう。ただ、内容的に難しく感じてしまうこともあるため、実際には高校生以上で読むことが望ましいかもしれません。普段から本を読んでいる人やミステリ好きであれば、十分堪能できる作品です。もちろん、成人している社会人ならば、最初から最後まで楽しんだ後に、お気に入りの話を考察する程度の余裕があるかもしれません。
試し読みはどこでできる?
難問の多い料理店は、ブックライブなどで試し読みをすることができます。とはいえ、物語の前半部分を少しだけ覗くだけになり、続きが気になってしまい即購入するルートは間違いないでしょう。個人的には紙媒体の本がおすすめですが、Amazonのキンドルをはじめ近年は電子書籍もかなり人気で、扱いやすくて便利です。お好きなほうで、購入して手に取ってみませんか?
難問の多い料理店を読んでみて感想
読み終わった後は、心地よさや気持ちのよさなどよりも、「おもしろかったなぁ」という喪失感が大きかった作品。一気に読破したのだが、それがよかったのかもしれない。常に配達員の視点で進められる理由も分かりやすいし、最後の真相まである程度しっかりと言及しているのは面白い。読み手の裁量にという投げやりな方法も考えられたが、「お客様がお望みの物を」という言葉にしっかりと意味があって、物語の核心が詰め込まれていた。各種短編が短くきれいにまとめられているから、ちょっとだけ物足りない感じがまた面白い。連続短編なのに、一気に読破したほうが「本を読んだ」って感じがして、各短編の推理をしながら読めば頭の体操にもなって面白い。
ミステリー作品としては、久しぶりに髄まで楽しめた作品ではないだろうか?
難問の多い料理店の読書感想文
「難問の多い料理店」は、僕たちが普段意識することのない配達員の視点から物語が展開されるという、斬新な試みが印象的でした。主人公である配達員は、単なる配達人という枠を超え、事件解決に深く関わる重要な役割を担っています。
物語は、配達員が日々の配達中に目にした些細な出来事や、顧客との会話など、一見すると無関係に思える断片的な情報から始まります。しかし、これらの情報が巧みに組み合わさり、事件の真相へと繋がっていく様子は、まるでパズルを解くような楽しさがありました。
特に、配達員だからこそ見ることができる、登場人物たちの心の動きや、事件の裏側にある複雑な人間関係は、物語に深みを与えていました。例えば、[登場人物の名前]や[行動]を話すという場面では、配達員が[登場人物]の表情や態度から、あくまで類推したものです。それは、[登場人物の心情]を読み取ることができ、読み手である僕も、まるで本当にそのシーンを見てきたかのような錯覚を覚えます。
また、配達員という視点を通して、僕たちは普段見過ごしがちな日常の風景や出来事の中に、実は多くの謎やドラマが隠されていることに気づかされます。この作品は、僕たちに「身近な場所にも、驚くべき物語が隠されているかもしれない」という新たな視点を与えてくれました。
配達員という、一見平凡な人物が、事件解決の鍵を握る重要な役割を担っているという設定は、僕にとって大きな驚きでした。ミステリといえば、探偵がその場所に行って証拠を集めたり、実証見分を行うものが常です。それがこのような形で、「求められた回答を与える」という不気味な形で解決してしまうというのは、聊か新しい試みであり、配達員という僕たち一般人の見知らぬ可能性を感じさせてくれた一冊になりました。
難問の多い料理店の解説
- 料理の注文が店への特殊な依頼になる
- 最初にオーナーが解くのはどんな依頼?
- 各タイトルと物騒な内容物
- 作者の結城真一郎とは?
料理の注文が店への特殊な依頼になる
特定の商品群を注文することで、裏の意味が店に伝わるという設定があります。これは、客がシェフに料理ではなく、別のことを依頼していることを意味しています。例えば、次のようなレシピが該当します。
- サバの味噌煮・ガパオライス・シラス丼
- 梅水晶・ワッフル・キーマカレー
- ナッツの盛り合わせ・雑煮・トムヤムクン・きな粉餅
まるで合わない、一緒に食べたなら悶絶もの必死のメニュー。だが、実際にはその通りに料理を作るのではなく、裏の意味があってそれは次のような依頼内容となっていた。
- 人探し
- 浮気調査
- 解いてもらいたい謎の注文がある
何か暗殺指令のコードのような、面白い組み合わせである。
最初にオーナーが解くのはどんな依頼?
最初に解くことになった依頼は、大学生の部屋が火事になった事件だった。原因はおそらくだが、たばこの不始末であるという内容。住んでいた梶原涼馬は、火事が発生してはじめは鎮火を試みたが、早々に部屋から脱出し、各部屋の住人に声をかけて回った。幸い死傷者は出ることがなかったが、肝心の涼馬の部屋から女の死体が発見されて、事件は一気にきな臭い方向へ進む。しかも、その女性は、以前交際関係にあった女性であり、「火が燃え広がっていく中、涼馬の部屋に駆け込んでいった人影があった」という、不可思議な証言まで飛び出す始末。この難問を前に、オーナーは聞き出した情報だけで、調理場から一切出ることなく事件に挑むっ!
各タイトルと物騒な内容物
難問の多い料理店の各短編のタイトルは、非常に印象深いが同時にただの料理にしては物騒である。それはもう、世紀末世界であってもできれば避けたいと思えるような、ドロドロとした中身が思い切りぶちまけられているものが多いという印象です。各章のタイトルは、次のようになっている。
- 転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ事件
- おしどり夫婦のガリバタチキンスープ事件
- ままならぬ世のオニオントマトスープ事件
- 異常値レベルの具だくさんユッケジャンスープ事件
- 悪霊退散手羽元サムゲタン風スープ事件
- 知らぬが仏のワンタンコチュジャンスープ事件
できれば、そのレシピにも遭遇したくないものである。
作者の結城真一郎とは?
東京大学を卒業しているエリートな、作家です。2018年、『名もなき星の哀歌』で新潮ミステリー大賞を受賞しています。この受賞をきっかけに小説家としてデビューを果たし、今なお第一線で活躍しています。今回紹介した「難問の多い料理店」の前に出版した、「#真相をお話しします」では、2023年本屋大賞をノミネートしており、「#拡散希望」では、日本推理作家協会賞を受賞している、ミステリー界の新進気鋭な存在です。次回作にも、こうご期待しております。
おすすめ!難問の多い料理店|ネタバレとあらすじの紹介!の総括
今回は、結城真一郎先生の「難問の多い料理店」を紹介しました。これは、手軽に読めるはずなのに、気が付いたら最後までたどり着いている、そんな面白い連続短編ミステリーです。もしも、まだ読んでいない方は、ぜひとも近くの書店または図書館で借りて、読んでみてください!
それでは、よきオタクライフ、読書生活を送りましょう!
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