大人の絵本|ぼくにはなにもない(齋藤真行)のあらすじと考察

「ぼくにはなにもない」というのは、君の本音ではないだろうか。ふと人生を振り返ってみて、「あ、俺の人生って何だったんだ」と思ってしまう。その悲劇を避けることは、非常に難しい。

これは、ふとした瞬間に自分を振り返った中年の男性が、自分の人生を内省する物語。「ぼくにはなにもない」は、絵本というスタイルですが、そのメッセージ性や内容の深さには脱帽するほかありません。

人生を振り返ってみたい、今から自分の人生を変えたいと願っているあなたに最適な一冊になるでしょう。

ぼくにはなにもないの考察とあらすじ

  • ぼくにはなにもないの内容
  • あらすじを紹介
  • この本の見どころはどこだ?
  • 本を読んだ考察

ぼくにはなにもないの内容

この本は、主人公である「ぼく」の内省を絵本というスタイルで分かりやすく提示してくれます。隙間時間で読むことも可能で、自分の苦悩と、どのように向き合い、どのように考え方が変化していくのかを丁寧に紹介しています。自分の中に、どのような幸せが内包されているのか、「なにもないぼく」は、実際のところ「何を所持しているのか」を見つけていく物語です。

あらすじを紹介

物語の主人公である「ぼく」は、家族も恋人も生きがいもなく、何も持たない自分に気づきます。年齢を重ねる中で、夢や理想を追う気力も失い、空虚感に苛まれます。しかし、内省を続ける中で、「なにもない」中に「尊い幸せ」があることに気づきます。短い詩のような文章とイラストで綴られるこの物語は、読者に大切なことを教えてくれます。

この本の見どころはどこだ?

この絵本の見どころは「ダイレクトな単語」と「シンプルなメッセージ性」です。難しい内容を取り扱っていますが、絵本で伝えられるシンプルな内容でまとめています。着飾ることのない、私的な表現を用い、絵を使用してわかりやすく補足しています。何もない所にある、本当の幸せや自由な喜びを見つける。そうした、簡単で分かりやすいメッセージを、ダイレクトに文字で表現し、絵を使用して変遷を描いているため、わかりやすく短時間で読めるところが見どころです。

本を読んだ考察

「ぼくにはなにもない」は、現代社会において多くの人が感じる「何もない自分」という感覚に対する一つの答えを提示しています。特に30代前後の人生を見直した瞬間に、キャリアや家庭、自己実現など、多くの問題にぶつかります。多くのプレッシャーがある中で、この本は「持たないこと」の価値を再認識させてくれます。自分が何も持っていないという現状に対して、「今何があるのか」をあたらめて考えてみる。丁寧に内省して、自分を顧みることの大事さを改めて認めることができるようになる。

ぼくにはなにもない作者などの情報は?

  • ぼくにはなにもないの内容
  • あらすじを紹介
  • この本の見どころはどこだ?
  • 本を読んだ感想

原作者情報

今回紹介した「ぼくにはなにもない」という作品は、キンドル出版が元です。筆者は「齋藤 真行」さんです。Amazonで出版するには、プロフィールを掲載する必要があり、そのページを参考にまとめてみました。齋藤 真行さんの情報をまとめて掲載します。

  • 1979年生まれ。
  • 東京神学大学大学院修士課程修了。
  • 2008年より、日本基督教団牧師として奉仕。
  • ユーチューブ【齋藤真行牧師の説教・牧会チャンネル】
  • ブログ【齋藤真行牧師の神学・教会・伝道ブログ】

やる気も家族もない男

主人公である「ぼく」は作中で「やる気も家族もない男」として紹介されます。実際に、そのページでは独りぼっちの男が描かれており、「孤独」であることが視覚的にも文章的にも直感的に理解できます。そんな、一見すると只の寂しいだけの男ですが内省を通じて「なにもない」中にある幸せを見つける、その人生にどのような幸せと価値を自分で見出すのだろうか。ナイナイだらけで、何もできない、動き出せないよくいる「ぼく」にあなたは何を見出すのだろうか?

その他のおすすめ本は?

同じ作者さんが出版している本の中では、次のような本がおすすめです。自分の悩みに合う本があれば、手に取ってみるとよいと思います。

  • おれにはドーナツみたいな穴があいている
  • 中年の危機を乗り越える8つの方法
  • 聖書を体得し、神を体験する: 実践して「わかる」キリスト教入門

宗教関係にも精通している「齋藤 真行」さんは、そっち系の本もわかりやすく解説し、出版してくださっています。

本を読んだ感想

人生には意味も価値もないが、そのうえで「なんで生きているんだろう」という問いかけを、自身に課した回数は数え切れない。僕は、人を好きになれないし自分のことも大嫌いだ。少し違った方向で「何もない僕」だが、内省してみると確かに少しだけ「持っている何か」が存在する。一種、悟りの境地であるかもしれないが、当たり前に感謝できることは重要だと思った。そうでなければ、常にだれかと比較して自己嫌悪して、より生産性も何もない人生を送ることになるのだろう。

大人の絵本|ぼくにはなにもないのあらすじと考察の総括

今回紹介した、「ぼくにはなにもない」は、自分の悩みと向き合う方法を提供してくれる一冊です。結論から言ってしまえば、内省して今の自分に満足しようという、身もふたもない話です。ただ、現状を正しく認識して把握できないものに、新しい何かに挑戦する勇気も、これからの未来を見据える覚悟も持てないことは確かです。自分の人生を少しだけ振り返ってみて「なんで生きているのだろうか」などの疑問を持ってしまった際には「ぼくにはなにもない」を手に取ってみるとよいのではないだろうか?

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Posted by とあるオタク