ダメ人間の愛しかたのネタバレと感想
今回紹介する一冊は「ダメ人間の愛しかた」です。タイトルからして特徴的ですが、その中身はちょっとだけほっこりするも、人によっては苦手になる作品だろう。一見すると、中身はなんてことはない、普通のラブコメ作品だ。ダメ人間である主人公に、ヒロインが適宜、指摘していくだけの日常系のラブコメ。ただ、それは仮の姿でしかないことに、君は表紙を見て気が付いているだろうか?
狂気をはらんだ女の子と、ダメダメで自己肯定感も低い男子が贈る、少し変わったちょっと危険なにおいのする作品。
ダメ人間の愛しかたのネタバレと感想
- 「ダメ人間の愛しかた」冒頭のネタバレ
- ダメ人間の愛しかたの感想
- 作品のあらすじを紹介
- ダメ人間の愛しかたの見どころ
- ダメ人間の愛しかたのネタバレと感想
「ダメ人間の愛しかた」冒頭のネタバレ
社会人人生も挫折し、何をしてもダメなシンバ。物語は、彼が彼女であるヒズミとの約束に盛大に遅刻してくるところから始まる。目覚まし時計をいくつも使用し、それでも遅刻するシンバ。そんなシンバを待つヒズミは、瞳に少し暗い影を宿し、遅刻してきたシンバへと語りかける。いくつかの問答を経て、シンバの遅刻理由を知ったヒズミは、そっと彼に近づきます。顔を近づけて耳元でやさしく囁くように、「まぁ、今は無色だから関係ないか」と、暗い瞳で言い放ちました。
シンバといえば、「これは許されたのか?」と心配にになりながらも、心臓の鼓動が高鳴りっぱなしの様子が隠しきれていません。そんなシンバを揶揄うように、ヒズミは、デートを堪能するために歩き始めました。
ダメ人間の愛しかたの感想
個人的な感想としては、最初の出会いにすべてがギュッと詰め込まれているという印象でした。もちろん、作品としてはおもしろいです。「ダメ人間のあいしかた」は、正直正統派ラブコメ作品とは違うように思います。一見すると「ダメな男をやさしく導く聖人」のように見えるヒズミです。そして、その感想は間違っていないし、予感としてもあっていると思います。ただ、どうしようもなくこの二人の関係はアブノーマルのような雰囲気を出しており、それを助長するようにヒズミがミステリアスです。彼女のミステリアスさがなければ、これは普通のラブコメ作品へと、急に変化するだろう。
ヒズミの反応には、度々あえて見下すような視線の描写、影の差す表情、絶えず世話を焼きながらも真正面から正論をぶつける魂胆。すべてが、彼女の深層心理を覆い隠し、まるでミステリ作品のような雰囲気を作品全体にもたらしています。
作品のあらすじを紹介
ダメ人間の愛しかたは、『無職で金なし、学歴もないダメ人間シンバと、クールビューティーな魔性の彼女・ヒズミの不器用な恋模様を描いたラブコメディ』ということができるでしょう。ダメ人間であるシンバは、すべての行動が裏目に出るだけではなく、そもそもの生活すらも全うできない性格です。そんな彼のダメなところを適宜真正面から破壊するように指摘しつつ、シンバはヒズミの様子をうかがいながら交際を続けていきます。
ダメ人間の愛しかたの見どころ
ダメ人間の愛しかたの見どころは、ミステリアスな美女であるヒズミではなくシンバです。シンバは何をしてもダメダメな男子で、それをキッチリとした性格のヒズミが正していく様子が描かれます。各出来事に対して、詳細に語られるダメだし。ですが、そのダメ出しの前に必ずシンバの思考や感情を表現する描写が盛り込まれ、詳細に語りつくされています。多くの男子は、思わず彼の行動に納得してしまうでしょう。ただ、その思考は第三者からすると、少しだけ独りよがりで、「今じゃないよね」という印象です。二人の関係が一番の見どころといっても過言ではない、ダメ人間の愛しかたですが、ついつい喉元に言葉が突っかかることもあります。
そんな、やさしいけど不器用で行動が裏目に出て、すぐにヒズミにいじめられてしまうシンバは、この物語の中核を担う、非常に面白い人材です。この二人の関係と、シンバの感情、そしてヒズミの指摘は大きな見どころです。
ダメ人間の愛しかたのネタバレと感想
- 主人公のシンバはどんな人物なのか?
- 狂気なヒロイン!ヒズミ
- シンバは本当にダメ人間なのか?
- タイトルに見るこの作品の思いとは?
- 原作者は「岩葉」先生
主人公のシンバはどんな人物なのか?
ダメダメと言われているシンバですが、本当にダメ人間です。ダメ人間の愛しかたの主人公だが、ヒロインから底辺のダメ人間といわれる男。無職で金なし、学歴もないダメ人間の塊です。しかし、根は優しく、ヒズミにだけは弱いという特徴があります。
狂気なヒロイン!ヒズミ
どことなく行動や視線、言葉の数々から狂気を禁じ得ないヒズミ。ですが、彼女が本当にシンバの彼女を勤め上げ、無理に矯正することなく付き合っている天使のような女性です。一見すると、クールビューティーな見た目に、整った顔立ちから優しそうな印象を受けます。ただ、現実では、毒舌でわがままな性格の持ち主でもある。しかし、シンバのことが大好きな一面は、おくびも隠さない芯の強い女性です。
シンバは本当にダメ人間なのか?
シンバは本当にダメ人間なのです。何をしてもダメで、自分で誘った映画では爆睡するし、映画の起きていた時の内容を解説するために、昼食は爆速で完食します。そして、即座に始まるマシンガントークですが、当然ですが、ヒズミは未だ食事中であり残念ながら「話を聞く」という状況ではありません。また、自分で進めた映画で爆睡を決め込むため、映画に関してヒズミが興味を持っていたのかすら、シンバは知らないというダメっぷりを発揮しています。
タイトルに見るこの作品の思いとは?
タイトルにある「ダメ人間の愛しかた」ですが、その真意はどこにあるのでしょうか?一見するとダメ人間とは「シンバ」のことに思えます。確かに、シンバは普通に考えると結構ダメな奴なのかもしれません。ですが、駄目さをただすことなく、受け止めているヒズミ。この二人の関係は、ある意味で歪であるからこそ、ダメ人間の愛しかたという作品が面白くなっています。もしかしたら「ダメ人間であるのはシンバじゃなくて……」という展開も十分に考えられるのではないでしょうか?
また、純粋に原作を読むのであれば「「ダメ人間の愛しかた」は、ダメ人間でも誰かに愛されることができるという、温かいメッセージが込められた作品」とも言えます。二人が愛を深めていくことで、心の中で思っている「俺はだめだ」というシンバの自己肯定感は改善されていくのだろうか?この視点で見ることも、非常に面白い物語になりますね。
まだ原作が一巻しか発売されていませんが、続きが気になる作品です。ぜひ完結して、この物語のストーリー性の奥に隠れた、筆者のメッセージにたどり着ければと思います。
原作者は「岩葉」先生
今回紹介した作品は「岩葉」先生という新人の漫画家さんです。岩葉さんは、2020年にデビューした新人漫画家です。「ダメ人間の愛しかた」が初の連載作品となります。今後の展開や今後の作品に、とても期待しています。
ダメ人間の愛しかたのネタバレと感想
個性豊かなキャラクターたちによる、不器用ながらも微笑ましい恋模様は、きっとあなたの心を癒してくれるでしょう。ヒズミの毒舌ながらも愛情あふれる言動にクスッと笑ってしまうのか。それとも、シンバの駄目さ加減にあきれるのか。共感してしまうのかは、すべて君次第です。
それでは、良きオタクライフ、よき人生を送っていきましょう!
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