ネタバレ『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の内容と感想

今爆売れしている『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の内容を詳しく解説していきます。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』は、一週間で10万部の発売を記録し、さらに重版が決定しています。正直なところ、現代での売れ方としては、異常という外ない売れ行きです。

今回は、今大注目の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の内容や感想を詳しく紹介していきます。

なぜ働いていると本が読めなくなるのかの内容と感想

  • なぜ働いていると本が読めなくなるのかの感想
  • なぜ働いていると本が読めなくなるのかはどんな内容なの?
  • どんな章があるのか?
  • この本が書かれた理由が一本の映画?その内容は?
  • 読書が中心の作者「三宅香帆」先生

なぜ働いていると本が読めなくなるのかの感想

「本が読めなくなっている」といわれる現代、実のところ若者の読書率はそこまで多く変化していないという意見もある。そうした新書を読んできたが、歴史的に紐解いていく読書と社会の関係性は面白かった。今だけに焦点を当てているのではなく、明治時代から遡りどのように、本は人の生活に密着し活用されてきたのかがよく理解できる。また、この本の意見としてある「半身として生きる」というのは、面白い。読書を半身にする必要はないが、仕事だけ、遊びだけではなく、家事育児や趣味、余暇にも関心をもつ生き方というのは、面白いと思った。本や育児、趣味や世暇では、正直言って無駄が多いだろう。最適化されない情報が多く、むしろ試行錯誤したり、子供から学んだり、いらない情報が含まれ過ぎて手放すこともあるかもしれない。何もかもの情報が最適化されている今、僕らはこうした「無駄」を堪能することが、本来一番重要なのだと思った。

なぜ働いていると本が読めなくなるのかはどんな内容なの?

本書の内容は、非常に論理的でわかりやすいため、本を読んだことがない人や、本を読む習慣がない人にもお勧めしたい。

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」とは、現代社会における長時間労働が読書習慣に与える影響について考察した作品です。具体的には、明治時代以降の日本の労働文化と読書の関係を歴史的に辿り、現代社会における読書の衰退の原因を探っています。また、読書に限らず、文化的な活動全般に時間を割くことの重要性についても論じられています。現代社会では、仕事やSNSなどによって、個人の時間は常に奪われがちです。しかし、文化的な活動は、人間としての豊かさを育むために不可欠なものです。何か一つではなく、バランスよく生きる方法を提唱している一冊です。

どんな章があるのか?

目次を抜粋していくと、次のような内容でした。読書と人のつながりには興味がなくて、結論だけ知りたい方は、最終章を読んでみましょう。「全身全霊」という、根性論を真っ向から否定する、半身という生き方。その知識や感性を知ってみませんか?

まえがき;本が読めなかったから、会社をやめました
序章  ;労働と読書は両立しない?
第一章 ;労働を煽る自己啓発書の誕生―明治時代
第二章 ;「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級―大正時代
第三章 ;戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか?―昭和戦前・戦中
第四章 ;「ビジネスマン」に読まれたベストセラー―1950~60年代
第五章 ;司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン―1970年代
第六章 ;女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー―1980年代
第七章 ;行動と経済の時代への転換点―1990年代
第八章 ;仕事がアイデンティティになる社会―2000年代
第九章 ;読書は人生の「ノイズ」なのか?―2010年代
最終章 ;「全身全霊」をやめませんか
あとがき;働きながら本を読むコツをお伝えします

この本が書かれた理由は一本の映画?その内容は?

この本が書かれた理由は非常に面白く、実は「花束みたいな恋をした」という映画が関係しています。作者である三宅さんは、この映画を見てからこの本を書こうと思ったようです。実に衝撃的ですよね。映画の内容は、二人の読書家が、趣味を通じてカップルとなる物語だ。この物語の中心には、小説や漫画などがあるが、共通の趣味を持ってつながった二人の仲を引き裂くのは、仕事でした。仕事が理由で、本を読めなくなる彼氏。そこですれ違いが起きてしまい……という内容です。

読書が中心の作者「三宅香帆」先生

著者である三宅先生も非常に面白くて、「本が読めないから会社を辞めた」という内容が、前書きに書いてあります。というか、章の見出しでもあり、非常に勇気がある人だとわかります。彼女は、ストレスの原因を考えていった結果、「本が読めていないから」という結論に到達したようです。一念発起とまでは言いませんが、「会社辞めてしまおう」と思って、そのまま辞職。そして、書評家として活動を本格的にスタートしました。

なぜ働いていると本が読めなくなるのかを考察

ここでは簡単になるが、さらに理解を深め個々人がしっかりと内容を考察していけるように簡単にポイントを絞って紹介する。内容はあくまで個人の考えで考察でしかないことに注意してほしい。

  • 本の内容を簡単にまとめる
  • 人間はノイズが嫌いな生き物である
  • タイパ・コスパという闇
  • キーワードは「半分の社会」?

本の内容を簡単にまとめる

改めて、本書の内容を簡単に要約してみると次のように箇条書きできる。

  • 長時間労働は、読書習慣の衰退の一因となっている。
  • 現代社会では、仕事やSNSなどによって、個人の時間は常に奪われがちである。
  • 文化的な活動は、人間としての豊かさを育むために不可欠である。
  • 理想的な社会は、仕事と文化的な活動の両立が実現できる「半分の社会」である。

人間はノイズが嫌いな生き物である

スマートフォンの普及で誰もが手軽にインターネットを利用できるようになった。その発展には、SNSの普及も貢献しており、常にパーソナライズされた情報(利用者に最適化された情報)が手に届くシステムが導入されている。SNSなんてよい例で、自分の良く見ている動画に似ている投稿ばかりが、おすすめ欄に表示されていないだろうか?それは、どのような原理かというと、あなたの見たコンテンツの内容の表示時間や、調べた検索履歴が情報源なのだ。それで常に、「あなたが欲しいと思う情報のみ」が提供されるシステムになっている。

人間とは本来無駄が嫌いな生き物だろう。その証左として、忙しくてもなんでも、SNSを見ているひとは多いからだ。隙間時間に何をしているのかアンケートを取れば、SNSが最上位に来るだろう。興味がある、自分が欲しいと思う情報には、容易に飛びつくのが現代の人間だ。むしろ、「忙しい」と言いながら、興味もないネットニュースを読んだり、小説をまじめに読んでいる人のほうが圧倒的に少ないことは想像に難しくない。自分にとって不要な情報はただのノイズでしかなく、完全に不要な存在で排除される傾向にある。

タイパ・コスパという闇

同年代や少し年下の子と会話すると「コスパ・タイパ」という単語を耳にする。それはコストパフォーマンスと、タイムパフォーマンスの略だ。コスパの闇は昔から多く語られてきたが、近年耳にするのはタイパだ。このタイパにも触れており、それは「速読」という形で紹介される。

速読というのは「本を早く読む」という技術であり、一時期「瞬読」が流行した。本を読むことは重要でも、そこでしたいことは、「早く情報を手に入れる」ことだ。もっと言えば、「自分が欲しい情報を早く手に入れる」ことだろう。それは、前章の「ノイズ」でも語ったが要らない情報をできるだけ入手したくないのだ。パーソナライズされた情報と、万人向けの情報では、圧倒的に前者のほうが自分にとってタイパが良いことは自明だ。ただ、そこには、「非常に狭い世界しかない」ことに留意しなければならない。自分の知らない世界が外には広がっていて、ソコにこそ自分の心と人生を豊かにするヒントのようなものがあるのではないだろうか?

キーワードは「半身の社会」?

最後のキーワードは半身の社会だ。僕は半分よりも半身という単語がいいかなと思うが、人によっては半分の社会といったほうがいいかもしれない。自分の体を「仕事一筋」で割り切るのではなく、別の要素が必要だという意見だ。働きながら本を読む、働きながら趣味をするのは、全然贅沢ではない。また、家事をしながら読書をしたり、勉強をしながら読書する、というのも一つの意見だ。その時重要なものは、半分の時間を捧げることになるのは仕方ないとして、残り半分をどう生きるのか。そこには豊かさがあってもいいのではないかということだ。心の豊かさを得て、人生を堪能していくにはちょっとだけ寄り道をしていく余裕があってもよいのではないだろうか。

ネタバレ『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の内容と感想総括

結論からすると、個人としては読書好きなのでこの内容には心の底から同意できる。そして重要なのは、本の中では「読書」が進められているが、実際には別に何でも良いという点だ。実際には筋トレでもいいし、スポーツだっていい。何か「仕事以外の生き方」を見つける楽しみ、見つける意味。そして、それを行うための時間を生み出してもいいのではないだろうか?それが読書であれば、個人的にはうれしいと思う。

簡単に内容を三行でまとめると、こうなるだろう。

  • 半身社会: 仕事と読書の時間を半々にする。
  • 全身前例: すべての物事に全力で取り組むのではなく、バランスを意識する。
  • 読書時間を確保するための工夫: 早起き、通勤時間、寝る前など。

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Posted by とあるオタク